FileMaker-FileMakerServerのクラサバ環境で運用中、特定の部屋のPCでのみ起動と動作が異様に遅かったときの原因切り分けをしました。
現象:軽いファイルしか開けない、開いても動作がもっさり。ファイルサーバへの接続も遅く20MBのPDFに10分かかる。
LAN Speed Testで0.08Mbpsというあり得ない遅さになっています。
クライアントPCに原因がある場合
スペック不足
FileMakerServer利用時でも、クライアントのスペックの影響は大です。同時起動しているソフトが過剰ではいか、SSDを使っているか、古くないか、メモリは足りているか、CPUが弱すぎないかをチェック
フォントが多い
起動時にフォントを読み込むので起動と動作にかなり影響がある。不要なフォントは要削除です
ネットワークに問題がある場合
クライアントPC側コネクタ
LANケーブルを差し込む部分の物理的な異常も原因として考えられます。たいていは1か所だけなので検証は後回しに。
LANケーブル
ファイルの作りにもよるがクラサバ間にはそれほど太い回線は要りません。10年前のカテゴリ5eケーブルでも全く問題ないからです。ケーブルの長さもほとんど影響なし。ただしケーブルの断線、劣化、延長コネクタ使用時には要チェック。
スイッチ・ハブ
意外と多い原因がこのスイッチ。別のポートに付け替えてみる、電源ON/OFFする、別のスイッチにしてみる、などを試しましょう。
今回はスイッチのポートがおかしかったようで別のポートに付け替えて解決しました。

Speed Testも正常値に
壊れているポートはLANポートキャップなどで使えなくしておくと、忘れた頃に起こす同じ間違いを防げます。
ファイルをホストしているサーバに問題がある場合
スペック不足
サーバのスペックが足りているかどうか。特にメモリの影響が大きいです。ホストするファイルサイズ合計を超えるメモリを積むと目に見えて速度が改善しました(メモリ8→14GBに積み増し)。
パーツの劣化
サーバはあまり更新されないのでパーツ劣化になっていることもあります。特に2014Macminiではスペック足りず明らかに遅いことが多いです。
ホストされたFileMakerファイルに問題がある場合
特定のPCでのみ遅いならファイルに原因があることは考えづらい。しかし、全体の速度アップには効果的なので余裕があれば対応する。
ファイルサイズが大きすぎる
Filemakerのファイルサイズはメール受信などしていると数年で10GB近くなることがざらにあります。ファイルサイズも確認します。テキスト主体でオブジェクトも外部保存にしているならほとんど問題ないでしょう。
非保存フィールドで検索している
バッチ処理やスクリプトトリガetcを活用して非保存の検索は極力なくすと早くなります。
レイアウトオブジェクトが多い
大画面モニタが一般的になったこともあり、知らず知らずにオブジェクト過多になりがちです。プレースホルダ、ポップアップテキスト、オブジェクトの非表示も計算によるものなので描画速度に影響が出ます。これらは出来る限り少なくします。
ファイルが破損している
FileMakerServer導入なら安全性は高くなりますが、それでも壊れるときはあります。サーバ用UPSとバックアップは必ず導入しておきます。